気軽に楽しく安全に運動ができる場を提供

花畑公園

カテゴリー:健康づくり 地域活性化・コミュニティ 市民参画

花畑公園 写真

施設概要

所在地 東京都足立区
開設 昭和59年
面積 1.2ha
公園種別 近隣公園
設置・管理者 足立区

 足立区では平成21年度より区民の健康づくり、介護予防、医療費の削減などを目的に『パークで筋トレ』をスタートさせました。当事業の特徴は、身近な公園に専門指導員を配置して、高齢者が気軽に楽しく安全に運動できる場を提供していくことです。
 内容は、1時間の中で筋トレやウォーキング、ストレッチ体操など一斉指導を中心に、仲間と“わいわい”しながら進める『グループトレーニング』と目的、体力に合わせたメニューを“こつこつ”こなす『個人トレーニング』です。平成26年2月現在、11会場で開催中ですが、平成26年度より新たに3会場増やしていく予定です。

詳細

1.専門指導員

  『パークで筋トレ』は、区独自の指導者養成講習会を受講した『フィットネス』の指導員を中心に、全会場約30人が担当しています。各会場では、指導リーダーを選任し、二人体制を基本に配置しています。

  全会場の指導員が集まる『連絡会』は、年数回開かれ、各会場の状況や課題などをテーマに意見交換しています。各会場でも、指導リーダーを中心に参加者の状況やプログラム、安全対策などの情報共有に努めています。

2.プログラム

  プログラム内容は、前述のとおりですが、施設の規模や特徴を活かして構成されています。 以下は基本プログラムです。

時間 流れ 内容
30分

前~

受付

 

健康チェックなど
5分 【開始】

あいさつ

指導員紹介

今日のメニュー

10分 ウォーミングアップ ストレッチ

ウォーキング

15分 筋力トレーニング 健康器具及び器具を使用しない筋トレ
20分 ◆個人トレーニング

※個別に自由に運動

◆グループトレーニング(一例)

①コーディネーション ②あだち・らくらく体操(介護予防オリジナル体操)

③ニュースポーツ ④コミュニケーションゲーム ⑤健康づくり相談 他

10分 クールダウン

【終了】

ストレッチ

次回予定

  特に注意する点は、天候や気温、湿度などの予測と確認です。自然環境の中で実施しているため、参加者への影響を常に配慮して事故防止に努めています。時には、プログラム変更や中止する場合もあります。

  『パークで筋トレ』の最大の利点は、通りすがりの人も普段着で参加できることです。指導では、『絶対に無理をさせない、全てゆっくりペース、疲れたら休ませる』を徹底します。『パークで筋トレ』開始以来、延べ約2万人の高齢者が参加していますが、怪我や事故はゼロです。

3.アンケート調査

  今後の運営の参考とするため、アンケート調査を実施しました。(H25.1~2月/7会場N=213)
<主な分析>
①参加者について

  男性参加者の割合は、全体の16%。(H22年は3%)参加年代は70歳代が約60%を占める。
②参加継続について

  2年以上の参加者が約30%を占める。
③誰と参加しているか

  友人と参加約50%、一人36%、夫婦参加10%。60%以上は誘い合って参加している。
④参加目的について

  健康維持、体力づくり約60%。楽しい17%はレクリエーションが好評と推測。
⑤自主的な運動について

  同じ公園で毎日(15%)、週2~3回(28%)など7割以上が使用している。運動継続が定着してきたと推測。
⑥『パークで筋トレ』以外の運動

  多数の参加者は散歩、ウォーキングを実施するようになった。(63%)運動効果や楽しい運動について理解されてきたと推測。
⑦『パークで筋トレ』に何を求めるか

  健康維持増進(31%)の次に『運動知識を得る』(22%)の回答は、ミニ講座、健康相談を実施してきた成果と推測できる。医療費減少(6%)を向上させていくことが求められる。
⑧今後の内容について

  健康やメンタル面(29%)、食や栄養(17%)を希望。今後の指導に活かせる。
⑨以前と変わったこと

  健康への意識向上(75%)、友人増(41%)、会話が増えた(32%) 『友人・会話の増』は、足立区の政策目標の一つ『支え合い暮らしやすいまちづくり』に発展できる。

4.課題と方策

  各会場の参加者数は約20~30人です。春、秋は全会場で増える傾向にあり、70人を超える会場もあります。安全管理上、適正な参加者数は、約20人程度と考えていますが、ほとんどの会場はそれを上回っています。 参加者数に応じた指導員の配置は困難であるため、参加者の中から指導員の手伝いができる『指導補助員』を育成しています。また、前述の指導者養成講習会を隔年ペースで開催していきます。

  参加者に関しては、男性が少ないことが課題です。男性への聞き取り調査では、女性が多数を占め『入りにくい』『集団行動が苦手』『恥ずかしい』などの声が聞かれました。 一方、『始めたらやめられない』『思った以上に楽しい』などの意見もありました。参加者に協力をいただき、ご近所の男性を誘うPRが有効と考えています。

5.今後の方針

【テーマ1:地域の絆づくり】
・関係所管の協力のもと、公園活用における地域課題をテーマに以下の取組みを行い、地域の絆づくりにつなげていく。
①防災・防犯についてのミニ講座・ミニ訓練
②子どもや高齢者の見守り、公園美化活動についてのミニ講座や実践活動
【テーマ2:個別性と自主性】
・指導補助員を中心にグループ化し、個人的、自主的に実践できる参加者を増やしていく。
①個人メニュー作成のアドバイスを行う。
②参加者の中から指導補助員を育てる。
【テーマ3:大学連携による調査・研究】
・COT(コーディネーション・トレーニング)研究機関による指導のもと、参加者の運動能力向上などについて調査・研究を行い、当事業のさらなる発展を目指す。
①バランス能力や認知機能などを定期的に測定し、その効果を分析する。
②研究結果を指導法の改善や指導者の育成につなげていく。

6.おわりに

  足立区の特徴の一つとして、公園面積は23区第一位です。また、荒川河川敷は、区面積の1割弱を占める広大な水と緑のオープンスペースとなっています。『パークで筋トレ』は、こうした場を活かしたい区の思いと、『運動に縁が無かった、始めてみたい』、という区民の思いがかみ合ったと考えています。ある会場の参加者からは、『若返った』『気持ちが前向きになった』『友達ができた』などの感想をいただき、笑顔に満ち溢れていました。近年の少子高齢化の親展やライフスタイルの変化を背景に、今後も公園や河川敷に対する区民ニーズを受け止めて、『パークで筋トレ』から『絆づくり』に展開していきます。

足立区地域のちから推進部スポーツ振興

 

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