所在地 | 東京都武蔵野地域 |
開設 | |
面積 | |
公園種別 | 総合公園など |
設置・管理者 | 東京都 |
西武・武蔵野パートナーズは、「人、自然、まちが元気になる公園づくり」を管理運営のコンセプトとして、武蔵野地域にある10箇所の都市公園と2つの緑道(以下、武蔵野グループ公園という。)を平成23年4月から管理しています。私たちは公園の利用促進やコミュニティづくりのため、園内の自然観察をはじめ、ガーデニングやクラフト、健康づくりなど、公園利用者のニーズに応じた様々な種類のイベントを実施する「むさしの元気プラン」を展開しています。
<武蔵野の公園グループ>
都立武蔵野中央公園、武蔵野公園、浅間山公園、武蔵国分寺公園、野川公園、府中の森公園、東村山中央公園、東大和中央公園、狭山・境緑道、玉川上水緑道、六仙公園、東伏見公園
※すべて都立公園
○背景
西武・武蔵野パートナーズは、公園管理の基本方針として次の5つを掲げています。
・むさしのパークイニシアチブを取り入れた常に進化発展する公園づくり
・水と緑の回廊構想の実現に向けた生物多様性・環境共生型社会の拠点づくり
・コミュニティや防災など公園を拠点とした地域づくりへの貢献
・「パークマネージメントマスタープラン」や「10年後の東京」をはじめとした上位関連計画に基づいた管理運営
・平等利用に配慮し、関連法令や条例を遵守した管理運営
西武・武蔵野パートナーズは、この方針を実現するために必要なノウハウをもつ企業・団体で構成された事業体です。維持管理力や各地で公園管理実績のある西武造園(株)、協働事業コーディネート力やイベント運営力を持つNPO法人、NPOバース、スポーツや健康づくりを通じ地域コミュニティづくりを実現するミズノ株式会社の3者です。
私たちはこれまでの公園管理の経験から、テニス・野球をはじめとする運動施設利用者や園路を使ったジョギングやウォーキング利用者などから頂く声を通じ、公園に対するスポーツや健康づくりに関する利用者ニーズの高さを実感していました。武蔵野グループ公園の管理開始に際し、私たち公園管理者から積極的にスポーツや健康づくりに関するプログラムを提供し、利用者ニーズに応えていきたいと考えました。
○事業概要
西武・武蔵野パートナーズが実施する公園の利用促進プログラムは「むさしの元気プラン」として展開し、その種類は公園の「自然観察」をはじめ、「ガーデニング」、「クラフトづくり」「健康づくり」など多岐にわたっています。また内容は未経験者や初心者を対象とした「はじめてプラン」、もっと学びたい、もっとうまくなりたいという方を対象とした「もっとプラン」、公園を拠点に仲間づくりを行う「みんなでプラン」の3つで構成されています。
この「むさしの元気プラン」のうちスポーツや健康づくりに関するプログラムについて詳述します。これまで実施したプログラムは下表の通りです。
種別 | 目的 | プログラム名称 |
初めてプラン | 健康づくり | 足型測定会 |
肩こり腰痛解消体操 | ||
体組成測定 | ||
スポーツ相談 | ||
スポーツフェスティバル | ||
基礎体力作り | 親子スポーツ教室 | |
はらっぱスポーツ教室 | ||
親子DEはらっぱスポーツ教室 | ||
競技:入門者向け | キッズ&ジュニア走り方教室 | |
ニュースポーツ教室 | ||
はじめてのウォーキング教室 | ||
はじめてのランニング教室 | ||
はじめてのテニス教室 | ||
もっとプラン | 競技:上級者向け | むさしの元気ウォーキング |
むさしの元気テニス |
ミズノ㈱のスポーツコーディネーターを公園に各1名配置し、上表のスポーツ・健康プログラムの企画運営のほか、健康に関する情報提供を行っています。
○実施プログラム内容
プログラム名 | 対象 | 狙い・内容 |
足型測定会 | どなたでも | 足型を測定し結果をアドバイスする。自分に合ったシューズ選びに役立つメニュー |
肩こり腰痛解消体操 | 主婦・シニア | 肩こり・腰痛の解消を目的とした体操教室 |
体組成測定 | 高校生以上 | 筋量、脂肪量、脂肪のついている場所などを測定し、現在の体の状態を知る |
スポーツ相談 | どなたでも | 体組成測定を基に脂肪を減らすための運動アドバイスを始めスポーツに関するなんでも相談 |
スポーツフェスティバル | どなたでも | 足型測定、体組成測定、スポーツ相談、ドッジボール大会、テニス体験などを同時開催しスポーツ健康づくりのきっかけ作り |
親子スポーツ教室 | 2歳~4歳の子と親 | 親子で楽しめるスポーツ(遊び)を通じて、親子のコミュニケーション向上と体を動かす楽しさを知り、体力づくりにも役立てる |
親子DEはらっぱスポーツ教室 | 4歳~6歳の子と親 | |
はらっぱスポーツ教室 | 4歳~6歳 | 原っぱでのスポーツ(遊び)を通じ体を動かす楽しさや協調性・自立心・創造性を養う |
キッズ&ジュニア走り方教室 | 4歳~6歳、小学生 | 走り方の基礎を学ぶ。速く走るコツや練習方法を身に着ける |
ニュースポーツ教室 | 小学生 | 学校では習わないニュースポーツを通じ、体育が苦手なお子様にもスポーツの楽しさを知っていただく |
はじめてのウォーキング教室 | 高校生以上 | 正しいフォームやペースなどを学ぶ |
はじめてのランニング教室 | 高校生以上 | |
はじめてのテニス教室 | 高校生以上 | テニス未経験者を対象にラケットの握り方からラリーができるまでアドバイス |
むさしの元気ウォーキング | 高校生以上 | はじめてのウォーキング教室より歩く距離を長くした教室 |
むさしの元気テニス | 高校生以上 | テニス初級者から上級者までの連続講座
レベルアップだけでなく参加者同士のコミュニケーションづくり |
それぞれのプログラムの平成24年度、平成25年度の実施公園数、実施回数、参加者数は下表の通りとなっています。
プログラム名 | 平成24年度 | 平成25年度 | ||||
実施公園数 | 実施回数 | 参加者数 | 実施公園数 | 実施回数 | 参加者数 | |
足型測定会 | 5 | 14 | 457 | 1 | 1 | 21 |
肩こり腰痛解消体操 | 1 | 1 | 15 | - | - | - |
体組成測定 | - | - | - | 1 | 1 | 10 |
スポーツ相談 | - | - | - | 1 | 1 | 10 |
スポーツフェスティバル | - | - | - | 1 | 1 | 107 |
親子スポーツ教室 | 3 | 15 | 181 | 3 | 20 | 227 |
親子DEはらっぱスポーツ教室 | 1 | 1 | 18 | 1 | 1 | 21 |
はらっぱスポーツ教室 | 3 | 19 | 187 | 4 | 37 | 527 |
キッズ&ジュニア走り方教室 | 6 | 14 | 242 | 6 | 22 | 451 |
ニュースポーツ教室 | 1 | 5 | 34 | 1 | 11 | 80 |
はじめてのウォーキング教室 | 2 | 16 | 128 | 4 | 22 | 119 |
はじめてのランニング教室 | 5 | 6 | 34 | 6 | 6 | 32 |
はじめてのテニス教室 | 1 | 6 | 27 | 1 | 3 | 9 |
むさしの元気ウォーキング | - | - | - | 2 | 2 | 8 |
むさしの元気テニス | 1 | 3 | 172 | 1 | 3 | 145 |
合計 | - | 100 | 1,495 | - | 131 | 1,767 |
開始してから2年という短い期間であるため、この数字だけで事業の成果や効果の考察は難しいと考えています。しかしながら、全体で参加者数は増加し、参加者からは公園という身近な場所で安心して運動ができる、球技をやって運動を楽しく感じた、体育の授業に活かせるなどとの好評価を頂いています。
スポーツや健康づくりに関する「むさしの元気プラン」の展開を通じて私たちが感じていることは、ニーズと期待の高さです。これに応えるため、今後プログラムを展開していく上で解決しなければならない課題は3点あると考えています。一つ目はプログラムの内容の充実です。新しい利用者の開拓や実施効果の高いプログラムの開発のためには、私たちだけではなく公園管理関係者の皆様のご理解とご協力が必要だと考えています。二つ目は「みんなでプラン」の開発です。スポーツ・健康づくりのプログラムを通じ、参加者・利用者同士のコミュニケーションが深まり、公園の魅力向上につながる仕掛けを作り上げることです。三つ目はプログラム開発と実施に必要な人材と財源の確保です。プログラムの実施にあたっては専門的知識と技能を持つスタッフの確保が必要です。公園で行うスポーツ・健康プログラムが魅力ある市場として拡大していくことが重要だと考えています。
私たちは「人・自然・まちが元気になる公園」を目指し、東京都をはじめとする関係者との連携を密にすることで、これら課題を解決しながら利用者の笑顔を増やし、健康づくりに役立つプログラムを提供し続けていきたいと考えています。
西武・武蔵野パートナーズ 管理運営事業本部 第二運営事業部